ウフィツィ美術館から秘密の通路ヴァザーリ回廊を歩く
朝8時前、早朝のフィレンチェの街は日中のざわめきが想像できないほどに静かだ。
シニョリア広場で騎馬にまたがるコジモ1世、ネプチューンの噴水にダビデの像も独り占めで、土産物屋がゆっくりと開店準備を始めるだけだった。
もうすでに人が並び始めているウフィツィ美術館。
それを横目に従業員が行き交う簡素なドアから館内に入った。
まだ他の観光客のいない静かな館内を歩き、次々と絵の干渉をしていく・・・・
ビザンチン風なジョットの絵、フィリッポ・リッピ、そして彼に影響されたボッティチェッリへと観ていくと、
正に静から動へと絵が変わって行く様が見れとれるのが面白かった。
一度は見てみたかった”プリマベーラ”やヴィナース誕生”等美術の教科書で見た絵が並んでいる。
(私がフィレンチェを訪れた2014年は、ウフィツィ美術館では写真不可だったので、絵の写真は一枚もないけれど、どうやら今は写真がOKな様だ。)
それらを鑑賞している頃に美術館がオープンしたのか、最初の入館者達が押し寄せてきた。館内の全部の絵の鑑賞は出来ないけれど、一応メインどころは押さえてこの秘密の通路のツアーのガイドが説明してくれる。
館内が観光客でザワザワとしてきた頃に私達は朝ごはん。美術館のテラスにてクロワッサンにカプチーノ。曇り空だった朝から一変、青空が広がっていた。
このテラスからは目の前にヴェッキオ宮の塔にドォーモの屋根が見える絶好の場所なので、オープンして一目散にこのテラスに来る人も多いらしい。
朝食後にいよいよ秘密の扉を管理する係員と待ち合わせして、お待ちかねのヴァザーリ回廊へと続くドアの鍵を開けてもらう。
ヴェッキオ宮殿の南側から始まり、 ウフィツィ美術館 、ルンガルノ デイ アルキブシエリを渡り、ポンテ ヴェッキオ上を歩いてアルノ川を渡るのです。
あ~~~ポンテヴェッキオの真上を歩いているのだ!小窓からは行き交う人々が良く見える。
コジモ1世の依頼を受けてジョルジオ ヴァザーリが設計、私邸のピッティ宮殿からアルノ川を渡って執務所のヴェッキオ宮殿に安全に行けるよう5ヶ月で仕上げた回廊、メディチ家専用の秘密の通路。
上からは丸見えでも、下からは全く見えないのだ!ちょっぴりメディチ家の一員になった気分・・・
橋を渡ったところにあるサンタ フェリチタ教会、メディチ家専用のバルコニーがあって、下まで降りずに礼拝が出来るようになっていた。
1枚だけ写真を撮ってもいいよと許可された回廊の中は肖像画がズラーッと並んでいたのです。
今でいうならFacebookみたいなものね!と上手い事言うガイド。
廊下を出ると出口はこんなところだった。ボーボリ公園のグロッタの横(扉を閉めている係員)。ここでツアーはおしまい。
小説インフェルノではロバート ラングドンとシエナは私達とは逆にボーボリ公園からヴァザーリ回廊を通った事になる。
グロッタと言うだけあって、ちょっとおどろおどろした洞窟風。
ずーっと奥の方まで続いている。
広いボーボリ公園を散策するのも良いけれど、この後私達が目指したのは別の場所だった。
春にフィレンチェに来たなら絶対に行きたいと思っていた場所。
藤棚のアーチを見に別の公園へと進みます。
つづく
※今回のヴァザーリ回廊は事前にWeekend in italyでネットで申し込んでおいた。
オフィシャルガイドと一緒に美術館の開館時間よりほんの少し前に入館して、美術鑑賞後テラスで軽い朝食、
そして秘密の回廊を歩く少人数のVIPツアー。
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