アントニ ガウディが建てた最初の家、カサ ヴィセンス
グランピアから南下してバルセロナのマリーナへと歩いた次の翌日には、反対の北へと歩いたバルセロナの街歩き。
グラシア通りの有名なカサ バトリョ、カサ ミラを過ぎ、エレガントなHotel Casa Fusterに差し掛かるとグラシア通りは少し狭くなるけれど、
ファサードの美しい建物が次々と出てくるから、首が上を向きっぱなしのお上りさん状態。
この街は建築もそうだけど、デザインなどそそられるものが沢山ある街だと肌で感じる。
少し前まで住んでいたブリュッセルの街もアールヌーボ発祥の街でオルタ邸を始め、幾つものユニークな家があった。個人的には魅せられることは無かったけれど、アールヌーボの建築巡りでブリュッセルにやって来る人が大勢いるとも聞いていた。
グラシア地区の外れにあったカサ ヴィセンス。
周りの建物とは全く違って、奇妙な家はポルトガルのシントラにあるベーナ宮殿を初めて見た時の印象と似ている。
それもそのはず、この邸宅はスペインとポルトガルで発展した建築様式で、イスラム建築とキリスト教建築が融合したつくりが特徴であるムデハル様式と呼ばれるスタイルだそうだ。
1883年、株式と通貨ブローカーであるマネル ビセンス イ モンタネルは、若い建築家アントニ ガウディに旧グラシア村の夏の庭の家の設計を任せたのが始まり。
それがガウディの最初の傑作であり、カタルーニャとヨーロッパでモダニス運動を開始する最初の建物の一つとなったのだそう。
正面玄関とは違う、ブッタの頭のぐるぐるみたいな模様が沢山付いたドアを開けると仄暗いホワイエ。
まずは常設コレクションがある2階に上がった、変わった螺旋階段で、部屋も元の構造に戻すために、内壁、床面、落下天井がすべて取り除かれていて、真っ白な空間だった。
ガウディの椅子
屋上に出ると、水を集めるために湾曲したテラコッタ屋根のタイルが敷かれ、小さなクーポラがファサードの角にある塔であることが分かった。
緑と白、花柄のセラミックタイルで覆われていて、アーチと言い、外観、部屋の1階もそうなのだけど、ガウディがイスラム建築に影響を受けているのが見て取れる。
1階には、ベッドルーム2室、バスタブ、リビングルームがあり、ヴィセンス家のプライベート部分。
おトイレのタイルが凄~い!モロッコに来たみたいだ!
こんなタイルに囲まれて用足しする気持ちはどんなだろうか???
イスラムとアジアが混ざった空間。
こういう、色々混ざった感じもやっぱりシントラのベーナ宮殿みたいなんだよなぁ・・・・
暖炉の後ろがポーチになっていて、ベンチや噴水がある。
そして圧巻なのが、正面玄関のホワイエ。
まるで、モスクのメッカの方向を示すミフラープみたい。
裏庭にはカフェも併設されているので、一休みにも良い。
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